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胃潰瘍は、胃酸の自己消化作用により胃の壁がえぐられてしまう病気です。症状の進行度合いにより、浅くて数日で治るようなものから、数カ月かかるような深いものまであり、重症になると胃壁に穴が空いてしまいます。
胃潰瘍の原因は?
胃潰瘍の原因にはさまざまな説がありますが、一番わかりやすいのは、1961年にシェイ(Shay)という人が発表した「バランス説」です。これは胃酸などの胃壁に対する攻撃因子と、胃の粘膜を守る防御因子とのバランスが崩れたときに胃潰瘍になるという説で、アルコールや心身のストレス、消炎鎮痛剤などは、このバランスを崩すものと考えられます。
さらに、近年では胃潰瘍にかかっている人の大部分にピロリ菌感染がみられ、またピロリ菌を除菌することで再発率が著しく低下することが明らかになっています。現在日本では、ピロリ菌の除菌治療に健康保険の適用が認められています。
どんな症状?
胃潰瘍の主症状は、腹痛です。典型例では、空腹時にみぞおちの辺りが痛みます。そのほかには過酸症状(胸やけ、げっぷなど)、ひどくなると吐血・下血を起こすこともあります。自覚症状のある方は放っておかずに、早めに医師を受診してください。
(1)腹痛
胃潰瘍の場合は、多くがみぞおちのあたりが痛みます。痛み方はさまざまで、人によって刺すような痛みを訴えたり、圧迫感や鈍痛を訴える場合もあります。
また胃潰瘍の場合は、食前や夜間など、空腹のときに痛む場合がほとんどです。一般には、食物を摂取すると痛みが和らぐ傾向があります。
潰瘍が深い場合は、背中へ通すような痛みを感じる場合もあります。
(2)過酸症状
過酸症状とは、胃酸に関係した症状のことで、胸やけ、げっぷなどが起こります。
(3)吐血・下血
吐血の場合、潰瘍から出た血は胃酸によって酸化されるため、時間が経つと黒っぽい(コーヒー豆を引いたような)色になります。真っ赤な血が出た場合は、食道からの出血や、ごく最近の胃からの出血が疑われます。
吐血は無くても、便に大量の血液が混じって出ることもあります。この場合も吐血のときと同様、黒っぽい色の、タールのような便が出ます。もちろんごく少量の出血の場合は見た目にはわかりませんが、そのような場合は便の潜血反応で発見されます。
吐血や下血で貧血になるとめまいや倦怠感などの症状が現れますが、出血量の多い重症例ではショックといって血圧が極度に低下し、意識障害や臓器不全を伴います。この場合は命に関りますので、癌ではないといっても侮れません。
そのほか、吐き気や嘔吐、腹部膨満感などを感じる場合もあります。
これらの症状は、胃潰瘍に限らず、胃炎や胃がん、胆のうや膵臓など他の消化器疾患でもみられるので、胃潰瘍以外の病気の可能性もあることを頭に入れて、早めに検査を受けるようにしましょう。

★市販薬の利用について★
一時期テレビCMでもよくみかけましたが、現在「H2ブロッカー」を含んだ大衆胃腸薬が市販されています。H2ブロッカーは、胃酸が出過ぎないように抑制する効果があり、胸やけや胃痛、胃もたれなどの症状に優れた効果を発揮します。ですが、効き目がすぐに現われるぶん、中には長期に中途半端に薬を服用して医師にかからないでいるうちに、かえって病状を悪化させてしまったり、また胃がんの初期症状を見逃してしまったりなどの問題もしばしばあります。胃潰瘍は医師の指導のもとで、正しい治療と食生活を続けて始めて治る病気だということを忘れずに、市販薬はあくまで一時しのぎのものと考え、長期に頼るようなことはせず、必ず医師の診察を受けるようにしてください。
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