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人に聞けない病気のケア
〜水虫・たむし編〜 第1回
水虫はサラリーマンの宿命か

水虫の原因菌は
サラリーマンの足が大好き!?

 ただでさえ不快な高温多湿の梅雨どきを前に、水虫の季節の到来かと憂鬱(ゆううつ)になっている人も多いのではないでしょうか。なぜ夏は、水虫に悩む人の数がぐっと増えるのでしょう。
 それは水虫を引き起こす原因が白癬菌(はくせんきん)というかび(真菌)の一種で、この菌は湿度70%以上、温度15℃以上になると活発に増殖を開始するためです。この白癬菌が皮膚の表面にある角層に感染して増えると、小さな水ぶくれやかゆみなどの水虫の症状が現れます。角層は主にケラチンという硬いたんぱく質でできていますが、白癬菌はこのケラチンを栄養源にしているのです。靴下と靴に包まれ、常に温度と湿度の高い足は、体中で一番水虫にかかりやすいのです。特に水虫がよくみられる足の指の間は湿度95%以上、温度は32℃程度にもなります。一日中、靴下と靴を履いたままの生活をしているサラリーマンの足は、白癬菌の絶好の住みかなのです!

「水虫治療薬を発明すればノーベル賞もの」
はホント?

「水虫治療薬を発明すればノーベル賞もの」はホント? イメージ 国民病とまでいわれる水虫ですが、いったいどのくらいの人が水虫になっているのでしょうか。日本人全体の20%程度は水虫に感染しており、水虫感染率の高いサラリーマンともなれば、4人に1人は水虫に悩まされているといわれています。
 白癬菌は厚みのある足の裏の角層の中にもぐり込んでいるために、寒さや乾燥に強く冬は冬眠状態になりますが、温度、湿度が上がればすぐにまた元気に増殖し始めます。毎年、夏になると再発を繰り返し、何年も水虫とつき合ってあきらめ気味の人も少なくありませんし、水虫を完治できる薬をつくればノーベル賞ものという話さえありました。しかし、それはもはや過去の話です。現在では非常に効果の高い薬が開発されており、正しい知識があれば水虫は完全に治すことができます。

水虫がいつもかゆいと思ったら大間違い

 “水虫出たぞ、かゆい〜ぞ、イッヒヒ”というコマーシャルがありました。水虫というとかゆいというイメージが先に立ちますが、まったくかゆみのない水虫もあり、油断しているうちに家族にまで水虫が広がった、ということもまれではないのです。
 逆に“足にできる皮膚炎はほとんど水虫”という俗説を信じて、水虫の市販薬を塗り続け、いっこうに回復しないばかりか悪化させてしまう例もみられます。手のひらと足の裏に、うみをもったぶつぶつができる掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)や、かゆみが強く皮がむけてくる異汗性湿疹(いかんせいしっしん)などは、水虫によく似た症状が出ます。
 片方の足だけに出ている、足の薬指と小指の間の皮膚がむけている、爪が白や黄色に変色している、このどれかに当てはまれば水虫の疑いが濃厚ですが、決め手は、むけた皮膚を顕微鏡で観察して白癬菌が見つかるかどうかです。命に関わる病気ではないと軽くみて、つい勝手な自己診断をしがちですが、あやしいと思ったら一度は皮膚科でみてもらいましょう。

次回は「水虫のタイプ」についてです。


2001年5月7日

監修:坪井 良治 (順天堂大学医学部皮膚科)
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