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アレルギー専門医師に聞く
花粉症・アレルギー性鼻炎対策 第2回
花粉症の起こるメカニズム

花粉とひと騒ぎが体内で起きている

花粉とひと騒ぎが体内で起きている イメージ 今や花粉症にかかっている人は10人に1人といわれるほどポピュラーな病気になっています。花粉症が起こるメカニズムを簡単に説明すると……。
  花粉が鼻の粘膜につくと、粘膜の水分を吸って花粉が膨張し、外の膜が割れて、中からたんぱく質の抗原物質が出てきます。体がそれを脅威と感じると、IgE抗体とよばれるガードマンを育成し、鼻の粘膜にある肥満細胞で待ち受けます。抗原物質が肥満細胞に到達すると、ガードマンに出動命令が下され、ひと騒ぎが起こります。肥満細胞は「うるさい!」と怒って、ヒスタミンなどの化学伝達物質をまき散らします。化学伝達物質は鼻の粘膜にある神経を刺激し、脳に伝わります。すると防御システムが作動して、くしゃみで粘膜の上にある花粉を外に吹き出そうとし、鼻水で花粉を洗い出し、鼻づまりでこれ以上花粉が入ってこないようにするのです。

花粉症は一度かかったら
根本的に断ち切ることは無理

 “ひと騒ぎ”は、肥満細胞の表面にガードマンが十分にそろうまで起こりません。そうなるまでに、7〜10年かかるといわれています。ガードマンが肥満細胞に満杯にまでそろうと、減るということはありません。
 また、花粉中のたんぱく質を脅威と感じず、ガードマンを育成しなければ、ひと騒ぎが起こりようもなく、一生花粉症になることはありません。脅威と感じるか感じないかは、各人の体質によります。
 花粉症を根本的に治療するには、このたんぱく質を脅威と感じないこと、あるいはひと騒ぎを起こさないことが必要なのですが、今のところコレといった方法はみつかっていません。そのため、薬で症状を抑え、生活上の注意をして花粉を吸い込まないようにするしか手がありません。

花粉が飛び始める前から薬を飲もう

 治療薬には、(1)肥満細胞がまき散らすヒスタミンに先回りして神経に密着し、ヒスタミンが近づくのを阻止する抗ヒスタミン薬、(2)ヒスタミンが作られるのを阻止、あるいは万一作られても肥満細胞から離れるのをじゃまするなどの働きをする抗アレルギー薬が使われます。
 どちらの薬も症状が出る前、つまり花粉が飛び始める2週間〜4週間前から飲み始めたほうがきき目があります。
 花粉症に限らず、薬には薬屋で売られている大衆薬と、医師の処方せんに基づいて出される薬があります。症状のひどい人、大衆薬を飲んでも症状が改善しない人は、面倒でも受診し、医師に処方してもらいましょう。大衆薬を購入するときは、眠くならないタイプを選ぶようにしましょう。

一発で治る注射は副作用も大きい

 1、2年前に「一発で治る注射」がブームになりました。これはステロイドを大量に用いるもので、1回の注射で翌日から症状が消え、数週間効果が持続します。ステロイドは、もともと激しいぜんそくなどの発作を抑えるほど強力なもので、顔が満月のようにむくんだり、皮膚障害や月経異常などの副作用が出る危険性があります。そのため、日本耳鼻咽喉科免疫アレルギー学会では、ステロイド療法は危険であると警告し、反対の立場をとっています。

次回は「花粉症の予防」です。


2001年3月12日

この原稿は耳鼻咽喉科・神経耳科医師が監修しています。
記事の無断転用を禁じます
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