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誰にも聞けない「性の悩み」に答えます 第1回
バイアグラは勃起障害に
大変革をもたらした!!

性欲がなければバイアグラをいくら飲んでもダメ

 「勃起障害」とは、医学的には性交して4回に3回の頻度で勃起しないときに与えられる診断名ですが、性の問題は「生活の質(QOL)」と密接に関連していて、現実には医学的な定義とは別に、例えば4回に1回勃起しないからそれをどうにかしたい、という人だっています。したがって、自分がそうだと思ったらその人は勃起障害といってもよいかもしれません。

 この勃起障害に対して日本では、1999年3月「バイアグラ」という薬が承認されました。生活の質を高めることに役立つ薬を”生活改善薬”といいますが、バイアグラもその一種です。したがって、この薬は、医学的な勃起障害でなくても、”自称”勃起障害の人も使うことができます。とはいえ、バイアグラは媚薬でも強壮剤でもありません。あくまでも、勃起障害に対する治療薬であり、勃起しやすい生理的状態をつくるものです。セックスをしたいと思っていなければ(つまり、性欲がなければ)、また、性的刺激がなければバイアグラの効果は現れません。

バイアグラ登場後は、検査は問診だけに

 バイアグラが許可される前と後を比べれば、臨床の現場でもさまざまな相違が認められます。例えば検査においてもそうです。本来、検査は原因を突き止め、それに応じた治療をするためのものです。それまでは勃起障害の検査といえば、問診のほかに、ビデオや写真を見て勃起するかを調べる視聴覚性刺激試験、夜間睡眠時の勃起の測定などを行っていました。ところが今では、勃起障害の治療のファーストチョイスがバイアグラとなったことから、こうした検査を行う意味がなくなり、問診のみで済ますことが多くなりました。 例えば、朝立ちはあるのか、マスターベーションはできるかといった問いに「イエス」という答えであれば、勃起を起こす神経や血管など器質的(身体的)には何ら問題がなく、心理的な要因で勃起できない機能性勃起障害であることがわかります。機能性勃起障害はもちろんのこと、器質性の場合も重度の障害でない限り手術は行わず、バイアグラが第一に用いられるようになったのです。

ムードをこわす心配もないバイアグラ

ムードをこわす心配もないバイアグラ イメージ バイアグラが登場する以前は、欧米ではプロスタグランジンE1という薬を海綿体に性交の前に自分で注射する方法が一般的でした。しかし、日本の法律では注射は、基本的に医者か看護婦しか行えません。したがって、日本ではこの治療法は使えず、陰圧式の勃起補助具の使用が第一の選択となっていました。

 陰圧式器具は、陰茎を陰圧にしたシリンダーの中に入れて勃起を起こさせ、血液を海綿体内に充満させた後、陰茎の根元をリングで締めつけて勃起を持続させるというものです。勃起を起こす確率は高いのですが、ムードに欠けることから満足度が高いとはいえませんでした。

 その点、バイアグラは飲むだけですから、手間もかからず、ムードを損なう心配もありません。 これまで検査が嫌で受診しなかった人、あるいは陰圧式器具を使ったけれども長続きしなかった人なども、受診してバイアグラを試してみるのもよいかもしれません。


次回はバイアグラの安全性についてです。

2001年1月9日

監修:矢島 通孝(やじま泌尿器科クリニック 院長)
プロフィール
 聖マリアンナ医科大学泌尿器科学教室助教授、同大学横浜市西部病院泌尿器科部長を経て、2002年11月やじま泌尿器科クリニック(URL:http://www.hsg.co.jp/yajima/)開設。日本泌尿器科学会認定専門医、日本性機能学会認定専門医、日本性科学会認定セックス・セラピスト、日本不妊学会会員、日本性感染症学会会員。
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