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健康クイズ
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男性の健康
 
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わたしは糖尿病です 第14回
『入院生活〜ある朝の風景』

ささやかな朝食の楽しみ

 6時に目が覚める。体温、脈拍と体重を測定し、トイレへ直行。尿糖を自分で検査した後、ナースステーションにて血液を採取し、朝食前のインシュリンを自分で注射する。
 手洗い場でポットにお湯を注ぎ、病室に戻ると、おっつけ朝食となる。一杯分ずつパックになったレギュラーコーヒーをいれ、朝食に必ず付いてくる牛乳を注ぎ、ミルクコーヒーにする。ささやかな朝食の楽しみである。
 チンマリした朝食で、なるべく腹が膨れる様に、これでもかといわんばかりに沢山噛んでから飲み込む。

朝食後のちょっとしたハプニング

 朝食が済むと30分ほど横になり、それから運動療法と称する散歩へ出掛ける。いわゆる早歩きで15分歩き、病院に帰ると丁度回診の時間。病室に戻ってみると、向かいの男性のところに看護婦さんがすでに来ていた。

 聞くとはなしに二人の会話が耳に入る。彼は、若かった頃、陸上選手で活躍していたことを、当時の写真を見せながら看護婦さんに語っている様だ。
 一通り聞き終わると、看護婦さんが言った。「○○さん、陸上選手をなさってた時は頑張ってたと思うな。だから、その時の気持ちになって、リハビリも頑張らなくちゃね」と。
 すると男性は「リハビリは辛いんだよ。アンタにはわからないよ、それが」とポツリ。
 苛立ちを抑えて言ったこの一言は、私だけでなく看護婦さんにもこたえたのか、彼女をしばし絶句に追い込んでしまった。
 若い頃の、弾むような青春が、リハビリをサボらない様にと釘をさされる結果を招こうとは、きついオチがついたものだ。

「病気と闘っているんだ。」

 男性の一言には確かに“甘え”を感じたが、それ以上に耐えがたい挫折感と孤独感をたたえていた。看護婦さんも、それに気付いたのか、それ以上、余計なことは言わず、病室を後にした。
 この様な、使い古しのドラマが如き光景が、何気なく目の前で繰り広げられる、それが病院である。私は、他人事ではないこの現実から目を背けないことも“闘病”なのだと思い、「シッカリしなきゃ」と、心で何度も呟くしかなかった。

(つづく)

2001年1月22日

石川 栄
プロフィール
石川 栄(いしかわ さかえ)、昭和35年1月4日生まれ。 自動車整備士、コック、アニメーション制作を経て昭和62年に物書きとなる。(ライター暦13年)。映画界での取材や評論を得意とし、故黒澤明、松田優作氏にインタビューしたことが自慢のタネ。代表作は漫談家・牧伸二氏の芸能生活35周年記念アルバム「ナンセンスアイランド」(作詞)。冬は今だに長火鉢で暖をとり、魚は七輪で焼くなど、時代に逆行した生活をこよなく愛する、今時珍しい中卒の物書きである。
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