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ついつい誘惑に負けて逆戻り
さて今回は、食事制限なんて絶対ムリだ!と思っていた私が、如何に克服したかというお話である。 食事療法の基本は、バランス良く食べること。そして、毎日なるべく同じ時間に三度の食事をすることの二点である。
病院では当然、毎日決まった時間に食事となる訳で、これが反復練習となり、徐々に身体がそのスタイルに馴染んでいく。確かにコレは理屈ではなく、身体で覚えるという意味では、それなりに効果があると思った。
がしかし、それは無菌状態ともいえる病院内だからこそ、効果的であることは否めない。 つまり誘惑渦巻く娑婆(シャバ)では、そう簡単にコントロールできるわけがない。誰もが思いつくこの問題に、及ばずながら退院後間もなく、私も直面した。仕事も遊びも大まかなスケジュールを立てたところで、入院生活のようにはいかない。毎日少しずつズレていき、やがて修正するのも面倒になる。バランスの良い食事といっても、外食では融通が利かない。
そして食べたい物を食べるという、以前の生活に逆戻り、と、こうなってしまった。
とはいえ糖尿病の"恐怖"は忘れてません
とはいっても以前とは何かが違う。どこかで、これじゃあイケナイ、という考えが頭をもたげて来る。そう、こうして考えることこそが、生活習慣を改善する小さな一歩なのである。そもそも、そんな考えが浮かぶ要因は、入院中に受講するカリキュラムで、糖尿病の恐怖を徹底的に叩き込まれたことに起因している。この体験がトラウマになって、ハメを外した三度に一度は「ヤバイな」と考える様になった。
講義では、糖尿病のメカニズムや、悪化させないための対策など、事実のみが淡々と語られ、大仰に恐怖を煽るものではない。が、それでかえって、知識としての糖尿病が心に深く刻まれるのではないか。洗脳=マインド・コントロールといえば聞こえは悪いが、決して安っぽいヘッドギアを付けて電気を流してビリビリなんてことはない。
人それぞれ我慢の限界は異なるが、少なくとも私には、こうしたメンタル面での変化が、最も効果的であった。無病息災ならぬ“一病息災”。1コくらい病気を持っている方が健康に気を配るものだ、ということを、身を持って感じる今日この頃である。
(つづく)
2001年1月9日
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