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わたしは糖尿病です 第12回
『食事療法〜病院食 その2』

モーレツなのどの渇きに
「うまいんだな これが」

 糖尿病治療に不可欠な食事療法について、くどくど書いているが、何か忘れてないか?気付かれた読者もいることと思い、とっとと本題に入る。テーマは"飲み物"である。食べることに気を取られがちだが、飲み物も食事の重要なファクターなのだ。

 入院寸前の頃、つまり病がかなり進行していた頃、糖尿病の症状が顕著に現れた訳だが、その一つに『口渇』(こうかつ)がある。モーレツにのどが渇き、飲料水を飲めども飲めども、引っ切りなしにのどが渇く厄介な症状で、チャント知識があれば迷わず病院に駆け込んだのだろうが、愚かな私は「こんなに飲み物がうまいと感じたのは初めてだ!」となってしまった。そりゃそうだ、尋常じゃない渇きなのだから、味わいもひとしお。

 コーラなんて飲んだ日にゃ、のどを通る前に口の粘膜に吸い取られ、胃袋には一滴も落ちない、そんな表現がピッタリで、「こりゃたまらん」とばかりにますます甘い、しかものどをキリッといじめる、ドクター○○やジンジャー○○といった飲み物ばかりをガブ飲みする。

飲み物制限は食事以上にきつかった・・・

 普通だったら体重を気にして控えるのに、何度も言うが太らないので、そんな行為も全く気にならない。しまいにゃ"炭酸系飲料"中毒と言っても過言ではない程となり、エスカレートしたピーク時で入院する羽目になったのだから、食事以上に飲み物の制限は、きつかった。

 当然、甘い飲み物は厳禁! 飲んで良いのは水か日本茶、紅茶かコーヒーだけ!!  入院した当初は、甘い飲み物が恋しくて恋しくて、糖尿病と言うより、"甘い飲み物中毒"の治療か? などとしゃれにならない錯覚すら起こしてしまいそうだった。  しかし、それがどうだ。いやはや人間の順応性の驚異を身をもって認識するに至り、今や炭酸飲料無しでも平気で過ごせるのだから、全く恐れ入る。私はいかにして厳しい食事制限を克服したか。イヤ、ソレに順応したかについて次にお話ししたい。次号を待て!

(つづく)


2000年12月18日

石川 栄
プロフィール
石川 栄(いしかわ さかえ)、昭和35年1月4日生まれ。 自動車整備士、コック、アニメーション制作を経て昭和62年に物書きとなる。(ライター暦13年)。映画界での取材や評論を得意とし、故黒澤明、松田優作氏にインタビューしたことが自慢のタネ。代表作は漫談家・牧伸二氏の芸能生活35周年記念アルバム「ナンセンスアイランド」(作詞)。冬は今だに長火鉢で暖をとり、魚は七輪で焼くなど、時代に逆行した生活をこよなく愛する、今時珍しい中卒の物書きである。
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