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わたしは糖尿病です 第9回
『食事療法〜食品交換表』

「糖尿病の治療は入院中ではなく
退院後から始まる」

治療に欠かせない『食事療法』の講義

 入院二日目、今日は午前中から講義がある。もっとも、まんじりともせず、ただジーッとベッドに横たわっていたら、不安が増幅する一方なので、その暇を与えないという配慮もあるとしたら、その効果も認めざるを得ない。  最初の講義は『食事療法』。ご存知の通り、糖尿病には特効薬が無く、悪化(合併症を併発)させない様にするには、血糖値を一定にコントロールするしかない。そのために欠かせないのが、運動療法とこの食事療法である。

 医師は開口一番、「糖尿病の治療は入院中ではなく退院後から始まる」と力説する。つまり日常から隔離された、いわば"無菌状態"の病院ではコントロールできても、医師の目も届かず、あらゆる誘惑に満ちた"娑婆(しゃば)"では自制が効かず、ついつい油断が生じる。本当に病気を悪化させたくないのなら、「まず毎日の食事をチャントせい」という訳である。

糖尿病患者のバイブル『食品交換表』

 そんな訳で、全講義の1/3は食事関係なのだが、その最初の講義のテーマは『食品交換表』を使った食事の基本である。『食品交換表』とは、食べ物を6つのカテゴリーに分類し、食材のカロリーをキチッと表記した一冊の本で、いわば糖尿病患者のバイブルである。

 ここで気になるのは"交換"の意味だと思う。ちなみにバイブルは、

  • 糖質を含む食品:(1)主食や豆類、(2)果物
  • たんぱく質を含む食品:(3)肉や魚など、(4)乳製品
  • 脂肪を含む食品:(5)バターやサラダ油など
  • ビタミン、ミネラルを含む食品:(6)野菜

 という具合に、食品を6つに分類している。例えば、一回の食事の主食が320キロカロリーと指示されたとして、ごはんなら220gとなり、食パンなら120gに相当する。この様に同じカテゴリーの食品なら、医師に指示された範囲で、食品を選べる(交換できる)ことから、こう呼ばれている。

 食事は毎日のこと。偏らず、安心して色んな物を食べるには、成る程便利な一冊に違いないが、果たしてこの本とにらめっこしながらの食事なんて、できるかと考えると全く自信が無い。でも病気の悪化はもっとイヤだ。どうしよう。

(つづく)

食品交換表 『食品交換表』
(日本糖尿病協会・文光堂)

糖尿病患者ならずともカロリーの気になる方には最適の参考書です。(書店で注文すれば購入可能。価格は825円+消費税です)

*日本糖尿病学会編「糖尿病食事療法のための食品交換表」に関する掲載・ 記述については、社団法人日本糖尿病学会の引用使用許可を得ています。リンク あるいは転用などを行う場合は必ず該当する部分のデータあるいはプリントアウ トを添付するなどして同学会の引用許諾を得てください。

本記事に関するご質問、リンクに関する お問い合わせはDr赤ひげ.COM お問い合わせ担当( feedback@drakahige.com)までよろしくお願い致します。


2000年11月13日

石川 栄
プロフィール
石川 栄(いしかわ さかえ)、昭和35年1月4日生まれ。 自動車整備士、コック、アニメーション制作を経て昭和62年に物書きとなる。(ライター暦13年)。映画界での取材や評論を得意とし、故黒澤明、松田優作氏にインタビューしたことが自慢のタネ。代表作は漫談家・牧伸二氏の芸能生活35周年記念アルバム「ナンセンスアイランド」(作詞)。冬は今だに長火鉢で暖をとり、魚は七輪で焼くなど、時代に逆行した生活をこよなく愛する、今時珍しい中卒の物書きである。
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