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わたしは糖尿病です 第6回
『糖尿病って何? (2) 〜名バッテリーの存在〜』

食べてもやせちゃう

 前回に引き続き、私なりの糖尿病の講義である。本来、エネルギーになるべき養分が身体にチャント吸収されず、対外へ排泄されてしまうとどうなるか。身体は本能的に生を全うしようとするから、脂肪や骨、筋肉など身体のあらゆるモノをエネルギー源にして生命の維持を図る。その結果、食べても食べても痩せていく、という究極のダイエットがいやおうなく実行に移される訳だ。ただし、これは私の場合がこうであったという一例にすぎず、すべてこうではない、ということをあらかじめ断っておく。

「なぜそんなことになっちゃうのか?」

 さて・・・・、そんなことより問題は「なぜそんなことになっちゃうのか?」ということである。ブドウ糖をエネルギー源として利用するには"インスリン"というホルモンの作用が絶対条件であり、このインスリンが出なくなることが糖尿病の元凶である。  通常、膵臓のB細胞で作られたインスリンは、身体の隅々にあるレセプター(受容体)と結合し、ブドウ糖を円滑に取り入れ、利用するという仕組みになっている。つまり、インスリンというボールを投げるピッチャー(B細胞)と、それを正確に受け止めるキャッチャー(レセプター)の名バッテリーの働きによって、人は食べ物からエネルギーの供給を受けることが出来る訳だが、最近の糖尿病患者には、バッテリーの両方の機能が低下して糖尿病になるケースが多くなっているそうだ。ちなみに私の場合は、ピッチャーの働きが著しく悪化し、ほとんどボールを投げてないと、担当医から説明を受けた。

フフフ、ひらめいたゾ

 なるほどな、と思いながら、脳裏にあることがひらめいたので、私は先生に「じゃあ、膵臓の機能が低下した為にこうなったんですね?」と聞くと、先生は「そうだね、言い方を変えれば"急性膵臓中毒"ってことかな・・・・」とおっしゃるではないか。そして私は「フフフ、そうか、これから人に何の病気?って聞かれたら、『膵臓が悪くって・・・・』と答えることにしよう。もう金輪際、糖尿病だなんて口にせんぞ!」と思うのであった。

(つづく)


2000年9月25日

石川 栄
プロフィール
石川 栄(いしかわ さかえ)、昭和35年1月4日生まれ。 自動車整備士、コック、アニメーション制作を経て昭和62年に物書きとなる。(ライター暦13年)。映画界での取材や評論を得意とし、故黒澤明、松田優作氏にインタビューしたことが自慢のタネ。代表作は漫談家・牧伸二氏の芸能生活35周年記念アルバム「ナンセンスアイランド」(作詞)。冬は今だに長火鉢で暖をとり、魚は七輪で焼くなど、時代に逆行した生活をこよなく愛する、今時珍しい中卒の物書きである。
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