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教育入院ってなんだ?
S病院は、都内は元より関東一円に、ダイアベティスの治療ではその名を知られた病院。そんな病院が、家から徒歩10分のところにあるなんて、因果なものだと思った。
入院患者は、大きく2つに分類される。合併症を併発してしまい手術を必要とする者と、それ以前の場合。私は後者に属し、こうした入院患者を、この病院では"教育入院"あるいは"体験入院"と呼んでいた。ダイアベティスについて正しく理解し、退院後の社会生活において病気を如何にコントロールするかを"教育"する。そして、コントロールするための食事や運動療法などを実際に"体験"する、というコンセプトの入院である。
マインドコントロールで病気をコントロール
1日のタイムスケジュールは、6時起床。体温、脈拍、尿糖および血糖値の検査の後に朝食。午前中は主に各臓器の検査。尿糖および血糖値の検査と昼食を挟んで午後から講義。講義は1時間の授業が2〜3つあって、ダイアベティスに関する様々なことを学ぶ。それからまた、尿糖および血糖値の検査あって夕食になり、寝る前に最後の尿糖および血糖値を測定し、21時に就寝となる。入院経験の乏しい私にとっては、検査と治療の他はボ〜ッとしていられると想像していたのだが、さにあらず。陽の高いうちはのんびりベッドで横になれないのだから「久しぶりにプラモデルでも作るか」と楽しみにしていた私にとって、この入院生活は、大いに当てが外れてしまった。
中でも、午後からの講義は苦痛の他には何もない。ダイアベティスの原因や合併症のことを聴けば不安は募り、食事についての講義では、私の"食"へのこだわりを否定され、大袈裟な言い方をすれば、アイデンティティを粉々に粉砕された思いに駆られた。
「これはマインド・コントロールに相違無い!」と極めて冷静でいようとしても、ズルズルお医者の搦手にハマッていく様で、何から何までイヤになっていく。そんな、諦めの心境で入院生活はスタートした。
(つづく)
2000年9月4日
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