|
鼓膜切開
中耳炎の治療では、しばしば鼓膜の切開が行われます。
「鼓膜を切りましょう」と医師から言われると、とても恐ろしいことのように感じてしまいますが、実際はごく細いメスで小さな孔を開けて、たまっている膿や滲出液を外に出してやるだけのことです。切開した鼓膜は炎症が治まれば、ほとんどの場合また再生します。
膿がたまったまま放っておくと、鼓膜が自然に破れて膿が出てくることもあります。破れた後は治りにくいですし、子ども自身も痛いものです。皮膚におできができた時と同じで、膿は切って出してしまった方が完治が早いのです。
鼓膜切開の後しばらくの間は、血性・膿性の耳だれが出ます。膿を出すために切開するのですから、これは当たり前のことですね。感染がおさまって、膿が出なくなるまでは、切り口が残っています。いったん膿の排出に成功すれば、その直後から痛みは消え、熱も翌日には下がります。
切開の後、耳だれが出ているうちは、お風呂や水泳は禁止です。また、外耳道に二次感染を起こさないように、特に清潔を保つ必要があります。
鼓膜切開の手術そのものは簡単ですが、場所が耳の奥、相手が子どもですから、どうしても保護者の協力が必要です。
「何もしないからね」とだましたり、ごほうびで釣ったりするよりも、「バイキンが耳の奥で暴れているから、頑張ってやっつけよう」ときちんと説明してあげる方が、子ども自身も「これは必要なことなんだ」と納得して、治療に協力してくれるようです。
鼓膜チューブ留置術
何度もくりかえすような難治性の滲出性中耳炎では、鼓膜に細く短いストローのようなチューブを置く手術が行われることがあります。鼓膜切開した孔にチューブを置き、そこから滲出液を排出できるようにするものです。チューブはシリコンやテフロン製で、数ヶ月から1年の間に自然に抜けてしまいます。穴が残ることはほとんどありません。
チューブ留置に関しては、医師によってかなり考え方が違いますから、よく相談しましょう。
|