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お子さまの低身長を心配しているご両親の多くは、低身長=病気と考えていらっしゃるようですが、それぞれの体質に見合って「正常」に成長しているお子さんがほとんどです。まずは、その低身長が病的なものかどうかを見極めることが大事です。
低身長の原因は
低身長の原因としては、
- 家族性低身長
- ホルモン分泌の異常による低身長
- 二次的な原因(疾患など)による低身長
- 心理的な影響による低身長
- 染色体の異常による低身長
- 軟骨などの骨の異常による低身長
が、あります。ぞれぞれについてご説明しましょう。
1.家族性低身長
両親あるいは片方の親の身長が低い場合、お子さまも同じように低身長となることで、決して病気ではありません。統計学的な解析より、男の子の期待される最終身長は、(父親の身長+母親の身長+10)÷2、女の子の最終身長は(父親の身長+母親の身長−10)÷2と予想されています。
2.ホルモンの異常による低身長
【成長ホルモン分泌不全性低身長】
脳下垂体からの成長ホルモンの分泌が不十分なため低身長となる「成長ホルモン分泌不全性低身長」があります。これは、原因が不明だったり分娩時の脳の圧迫による下垂体の傷害のため起こる「特発性」、脳下垂体付近の腫瘍による「器質性」、成長ホルモンの遺伝子異常による「遺伝性」の3つに分類されます。これらは病気として治療をする必要があります。
【甲状腺ホルモンの分泌不全による低身長】
甲状腺ホルモンの分泌不全による低身長を「甲状腺機能低下症」といい、生まれつき甲状腺機能が下がっている病気として「先天性甲状腺機能低下症(クレチン症)」があり、これらも早期に治療する必要があります。
【性ホルモンの分泌異常による低身長】
性ホルモンの分泌異常による低身長もあります。
ひとつは、「思春期早発症」で、これは、幼いうちから二次性徴(陰毛が早くはえてきたり、男の子ではひげ、女の子では胸がふくらんだりすること)が発来し、一時は急激に身長が伸びるものの、早期に骨端線が閉じて、最終的に低身長になってしまい、これも治療が必要となります。
逆に、思春期がおこる二次性徴がまわりの子に比べて、遅れてやってくる「思春期遅発症」がありますが、この子どもでは思春期前後の身長が急激に伸びる時期(スパート)の開始が遅れるため、一時的に“低身長”になります。でも、スパートが遅れてやってくるため、最終的には標準身長に近づき、治療の必要はありません。
3.二次的な原因(疾患など)による低身長
二次的な病気による低身長は、成長期に心臓、腎臓、消化器、肝臓などの主要な臓器に重い病気があると、成長障害を来すことがあります。また、白血病、腫瘍、腎臓病に対する化学療法、放射線療法の影響により低身長になることがあります。これらは、主治医とともに疾患の治療と成長障害について十分に話す必要があります。
4.心理的な影響による低身長
心理社会的な原因で低身長になることもあります。「愛情遮断性症候群」とよばれるもので、両親から、精神的・身体的な虐待を受けて育ったために、身長が伸びなくなる場合や、入退院や、転居、転校を繰り返したりする場合にもみられます。これらはその環境が良好な状態になれば、身長も再び伸びるといわれています。
5.染色体の異常による低身長
代表的な疾患として、「ターナー症候群」があります。女性にはX染色体が2つありますが、「ターナー症候群」にはX染色体が1つしかないか、X染色体に異常があり、女性の2500人にひとりの割合で生まれ、この病気の子は低身長となります。
6.軟骨などの骨の異常による低身長
骨や軟骨に異常があっても、低身長になります。「軟骨異栄養症(軟骨無形成症)」が代表的な疾患です。胴体部分に比べて、手足が目立って短いのが特徴です。
以上、低身長の原因についてお話ししましたが、お子さまの身長があまり低くて心配なら、まず、身長をグラフにつけてみましょう(成長曲線)。6歳未満なら、母子手帳を使うと良いでしょう。何歳だけでなく、何ヶ月というところまで気をつけて点を打ち、曲線をつなげます。お子さまの身長の伸びが、標準の成長曲線よりかなりしたにある場合や、カーブが急になだらかになり、水平に近づいている場合(身長伸び率が4cm/年以下)の場合には、小児内分泌科の専門医を受診することをおすすめします。
低身長の治療法
低身長の治療法は低身長の原因によって異なります。成長ホルモンの分泌不全による低身長ならば、成長ホルモン療法があります。細い注射を使い、成長ホルモンを皮下注射します。成長ホルモンの分泌が悪い子どもにとっては、効果はありますが、万能ではなく、そのほかの原因による低身長にはあまり効果はありません。また、病気によっては、甲状腺ホルモン補充(甲状腺機能低下症)、性腺ホルモン抑制(思春期早発症)が必要となることもあります。
ここで毎日の暮らしで気をつけることをあげておきましょう。
低身長の子どもは食が細いことが多いのですが「食べなさい」と強要すると食事そのものが苦痛になってしまうこともあります。楽しい雰囲気で食事ができるよう心がけましょう。また栄養のバランスも大切です。カルシウムやたんぱく質は成長に欠かせませんが、それだけを多く取ったとしても身長がぐんぐん伸びるわけではありません。
適度な運動もしましょう。体を動かすことは、骨に刺激を与え伸ばすことにつながりますし、成長ホルモンの分泌を促します。
また、「寝る子は育つ」と言う通り、睡眠も大切です。成長ホルモンは夜間に多く分泌されますから、小学生なら午後9〜10時頃には寝かせましょう。
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