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「科学的=治る」ではないんですね。私たちは医師です。客観的な裏付けも必要ですが、治るという、あるいは改善するという事実が、もっと大切なのです。「科学的でない」「非科学的だから」という理由だけで、ダメだと決めつけてしまうのは、病気治療に関しては過った考え方だと、私は思います。
北にアトピーが治るという水があれば、「ホントかな」と関心を示す。南にアトピーが改善する温泉があるといえば、「ホントかな」と関心を示す。それが患者さんにたいする、治療をおこなう医師として最低限の責務ではないかと考えています。そうした姿勢のなかから、中医学に関心をもち、その改善効果
に魅せられた私です。
では、中医学における「成人型アトピーの赤ら顔」についての考え方を簡潔にご説明しましょう。おおもとは「腎虚」です。アハハっ、いきなりそういわれても、わかりませんよね。
腎虚というのは、腎の機能低下と考えてください。ここで気をつけていただきたいのは、腎は腎臓とはかなり異なった概念だということです。腎は「腎臓の働き以外に内分泌系(ホルモン)や中枢神経系の一部を含むもので、生殖・発育・成長など、生命活動のおもな原動力となるものすべてを含んだ概念です。腎が衰えると肝に影響がおよびます。この場合の肝も、肝臓とはかなり異なっています。血液コントロールをしたり、情緒に関する中枢神経系の一部などを含む、広い概念です。
肝には陰と陽と2 つの側面がありますが、肝陽というのは特に自律神経系や情緒活動に密接な関連があります。腎虚の影響が肝におよぶと、この肝陽をコントロールしきれなくなります。その結果
、肝陽は「熱」となって上半身に昇り、顔面や頚部などに熱、すなわち炎症や赤ら顔が出現するのです。
成人型アトピーの特徴である赤ら顔、そしてなぜ上半身に発症しやすいかは、こういった説明になります。
また肝陽は、怒りなどの情緒に密接に関連してますので、心理的ストレスによって症状が悪化することも説明できます。したがって治療方針としては、腎を補う補腎系の生薬を使うと同時に、肝陽を抑える生薬、さらに熱を抑える生薬などを加えます。
こ の基本方針で処方を構成して、さらに個人個人の症状にあわせて生薬を加えることで、改善効果
を高めていきます。
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