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赤ひげ診察室の「アトピー・アレルギーお役立ち救急箱」 第11回
まだまだあるアトピー性皮膚炎の悪化因子
衣類は着方にも注意
小見出し イメージ アトピーのパパもご注意
暑い時期の「Y シャツにネクタイ」は
首回りの皮疹を悪化

 お元気ですか。見落としがちなアトピー性皮膚炎(以後アトピーと略す)の悪化因子について、何回かにわけてお話ししてきました。今回はその最後。気をつけたいことが、まだまだあるんですね。

 衣類の刺激で、部分的に悪くなっているようなケースによく出会います。化学繊維など、悪化の可能性が高い繊維をさけるのは当然ですが、部分的に皮膚を刺激するような着方にも注意が必要です。

 最近はもう秋真っ只中ですずしくなりましたが、夏場のスーツ姿の営業の方にはホント頭がさがります。30代の男性、営業マンの患者さんのケースです。彼は上半身の皮疹がひどいタイプですが、普段はコントロールが非常に良好なんです。ところが、職業がら、暑い時期でもネクタイをキチンとしめて営業活動(外回り)をしなくてはなりません。できることなら営業マンも、もっと涼しげな服装でいいじゃないですか。夏場はさわやかで涼し気な服装こそ、相手にも好印象を与えると、私なんか思いますけどね。応対する側も、会社の玄関に、「暑苦しい身なりの方は、御遠慮ください」とかなんとか、いかないものですかねぇ。話がそれました。

小見出し イメージ 高校生の女の子がソックスで湿疹
機械的な刺激による悪化はガマンするしかないの?

 先ほどの患者さんの話ですが、彼は暑い時期になると、汗とY シャツのエリの刺激で、どうしても首回りが悪化してしまうのです。で、この時期には漢方薬が「炎症をとるタイプ」に替わります。そこまでしても、ネクタイで首をしめるんですよね。それを良しとする世の中だからでしょうが、いろんな常識が通 用しなくなた現在、こういった訳のわからない因習(?)こそ、早く通用しなくなって欲しいものです。もっと、努力や力を発揮しないといけないことは、たくさんありますよ。アッ、またまた失礼。

高校生の女の子がソックスで湿疹 イメージ もうひとつのケースです。高校1年の女の子です。この患者さんは、学期中はソックスをはく決まりのある学校にかよっています。彼女の足のちょうどふくらはぎにあたる部分、締めつけのきつい部分に湿疹がでるんですが、学期中は治りません。夏休みなどの長期休暇になると、治ります。できるだけ素足でいることを指導したのですが、こちらは校則がらみ。学校に事情を説明して、学期中もソックスをはかなくてすむようにと、できることはやってみるのですが……。こういったケースに出会うたびに、いろいろ考えさせられます。

 こ れらは、機械的な刺激が重要な悪化因子になっていることを示しています。つまり、部分的にせよ一定の刺激を皮膚に与えつづけることで、皮疹を起こさせ、しかも断続的に刺激が繰り返されることで、治るどころか悪化すらしてしまうというわけです。

 こ れも、よくある機械的刺激として、髪の毛先によるものがあります。とくに女性ですが、後頭部下の首の付け根や耳の前の両ほおの皮疹がなかなか改善しないケースがあります。そんな場合、だいたい髪の毛先がその部分にあたっています。ポニーテールにするなど、あたらない工夫をアドバイスするのですが、女性の場合、どうしてもオシャレの視点から髪も考えますから……。みんながみんな、あたらない工夫をしていただけるとは限りません。乙女心を考えると私は、これに関してはどうしても弱腰になりがちですね。だって、美容院でカットされすぎて、想像を絶する立ち回りをなさった方もいらっしゃると聞きましたし、男が考えるように、「また伸びてくるんだから」なんて脳天気な慰めをいおうものなら、逆上して刃物でももちだされかねないと、本気で思っています。それだけ女性にとって、髪は大切だと認識しておりますから、ハイ。

 でも、ですよ。お許しをいただいて、申し添えると、アドバイスを受け入れて、その部分にかからないようにしてくださった患者さんのほとんどは、改善しています!!

小見出し イメージ 女の子のママはアドバイスしてあげてください
化粧品は、まずサンプルで肌に合うかを試してみること

 化粧品について、もうひとつアドバイス。自分に合いそうだなと思われる化粧品があって、サンプル提供など無料でのお試し制度があるかどうかわからない場合は、メーカーにサンプル提供を申し込んでみましょう。快く提供してくれるはずです。万一、そんな制度はないからと、断られるようでしたら、そういったメーカーはユーザー本位 ではありませんから、はなから相手にしないことです。自分で買うなどもってのほかです。あなた方は普通 の人よりもデリケートな肌なんです。だからこそ化粧品が合うかどうか、普通 の人以上に試す必要があるわけです。そのうえで、使ってもらえれば、メーカーとしてもこんなに嬉しいことはないじゃないですか。ある意味では、人助け。メーカーが立派な社会的責任を果 たす姿勢をもっているともいえることです。あなたたちが卑屈になる必要はまったくありません。文末 イメージ堂々と、サンプルを提供していただきましょう。また、女の子のママはお子さんが「初めて化粧品」を使うときにはぜひぜひそうアドバイスしてあげてください。・・・ちょっと、力みすぎましたかね、ハハハっ。

 では、おだいじに!!

私の考えがまちがっていれば、「guchi@pb3.so-net.ne.jp 」にメールをください。ここでお話することのbackground を知りたい方は、私のホームページをご覧ください。「http://www02.so-net.ne.jp/~guchi


2000年10月30日

プロフィール
「アトピー・アレルギーお役立ち救急箱」イメージ
山口典秀先生
やまぐち・のりひで
医療法人恵明会・恵明会クリニック院長。1951 年生まれ。九州大学医学部卒業。同・脳疾患研究施設(神経内科)、大牟田労災病院、浴風会病院を経て、東京・千代田区で開業。97 年にアトピー・アレルギー専門の恵明会クリニックとして練馬区に移転。日本東洋医学会認定専門医。
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