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子供の健康
 
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赤ひげ診察室の「アトピー・アレルギーお役立ち救急箱」 第4回
母なる生命の源での治癒効果に期待
“海水浴療法”が注目されています
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まずは紫外線と海水の殺菌効果
そして“闘病”からの解放感が

 お元気ですか。どうでした、夏休みは。お子さんとたくさんの思い出つくれましたか。ちっちゃなお子さんをもつ親というのは、子どもが早く成長して欲しいと願う反面 、いつまでも親にまとわりついて欲しいと思うもののようです。せめて、子どもの成長、そのときどきの親子の楽しい思い出は、ひとつでも多く心にきざんでおきたいですね。

 で、海水浴には行きましたか ?最近では、アトピー性皮膚炎(以後アトピーと略す)に効果 があると、海水浴キャンプ療法や海水療法(タラソ・テラピー)を指導する医師も増えています。以前は、塩水や日焼けは、アトピーの皮膚症状を悪化させるという意見が多かったのですが……。

 では、なぜ海水浴はアトピーにいいのでしょう。ひとつには、紫外線と海水による殺菌効果 でしょうか。アトピーの患者さんの皮膚には、黄色ブドウ球菌などの細菌がたくさん付着しています。皮膚の状態は、これらの細菌と大変かかわりがあります。黄色ブドウ球菌などが減少することで、アトピーも改善すると考えられます。

 また、悪玉赤外線による皮膚の温熱効果も、海水につかることで冷やされます。加えて、海水浴の楽しいひとときは、“闘病”というストレスからも解放してくれます。これらが、うまくかみあって、改善効果があがると考えられるのです。逆に、うまくかみあわなければ、どれかひとつでも欠ければ、当然その効果は期待できないばかりか、悪化するケースもあります。

 たとえば、昼間の強い日ざしのもとで長時間、浜辺に、それも日陰じゃないところで無中で遊んでいたりすると、当然、刺激やたとえば、昼間の強い日ざしのもとで長時間、浜辺に、それも日陰じゃないところで無中で遊んでいたりすると、当然、刺激や洗い落としていないと、マイナス効果 になるでしょう。

 さらに、宿泊するところにアレルゲンのダニやカビが多かったり、虫さされをかきむしってしまったため、皮膚炎が広がったりと、海水浴ではなく、海水浴にいったことで悪化する可能性も考えられます。

 海水浴にいくときの注意事項をまとめてみましょう。

  • 海水浴は、あまり日ざしの強くない午前中や夕方を選ぶ
  • 浜辺ばかりにいないで、頻繁に海水につかる
  • 海水浴後は、必ずシャワー(水道水。せっけんを使う)で砂や汗、汚れをていねいに落とす
  • シャワーの後には、必ず保湿剤をぬる
  • 宿はできれば下見をして、フローリング中心で、あまり古くない建物であることを確認しておく
  • 海水浴にいくまえには、必ず掛かりつけの医師の指導をうけておく
 最近では、深海水による治療も話題になってますよ。
小見出し イメージ 身体機能に欠かせない
海水のミネラルも効果大

 海は生命誕生の源でした。太古、地球の誕生には諸説ありますが、およそ120 億年もの昔でした。生物の祖先が誕生したのは、およそ40 億年前。地球にある、ありとあらゆる生命の故郷は、海。海はすべての生命の母でした。ある詩人は、海という漢字を分析して、“海のなかには母がいる”と詩っていましたっけ。

 なぜ海が生物の母になったのか。ひとくちでいえば、海水にはカルシウムをはじめとするミネラルが豊富だったからです。
 母親の体内で胎児をはぐくむ羊水は、海水のミネラルバランスとほぼ同じだといわれています。私たちの祖先が、海から陸にあがる前、海は生物にとって唯一のすみかであり、棲息の場でした。同様に、胎児にとって羊水は唯一のすみかであり、陸へあがる(生まれる)までの棲息の場でもあります。

 母体は、母なる海の成分を体内に取りこんで、上陸を果たした生物の歴史を再現しているといえないでしょうか。
 また、人間の体液である血清も、海のミネラルバランスとほぼ同じだといわれています。いってみれば人間は、生命の源、母なる海を体内にとりこむことで、はじめて地上で生きることが可能になったといえるでしょう。

 人には本来、自然治癒力があり、体を常に健康な状態に保とうとしますが、これもいってみれば、体内に生命の源である海をもっているからではないでしょうか。海水療法(タラソ・テラピー)などは、そういった、生命の不思議、母なる海の神秘的なパワーを積極的に利用しようとしているともいえるでしょう。

 先ほど、海水浴がアトピーにいい理由として、紫外線と海水による殺菌効果 をあげましたが、たとえばナトリウムは体のPH(ペーハー)バランス(皮膚であれば弱酸性に保つとか)や浸透圧生態機能を整えてくれます。マグネシウムは、血管拡張作用があり、新陳代謝を活発にします。こういった、身体機能に欠かせないミネラルの働きも、アトピー改善には無視できないわけです。

 私の小学1 年生の患者さんのお話をしましょう。初診のときは中等度のアトピーで、かゆみもひどい状態でした。お母さんは絶対にステロイド軟膏を使いたくないということでしたので、せんじ薬と生薬軟膏でなんとか症状の改善にもちこみました。いまでも、ひざとひじに、わずかに皮疹があり、夏の汗の季節になりますと、少し悪化します。でも、あまり心配はしていません。というのも、実は、彼女は逗子海岸の近くに住んでいますので、悪化したら海水浴にいくようすすめています。海水浴で悪化が改善しているからです。

 2年前よりも昨年、昨年よりも今年というように、少しずつ改善度はあがってきています。きっと近い将来、その患者さんは自然経過で治癒するだろうと期待しています。

小見出し イメージ アトピーは、患者さんの
数だけ治療法が違います

 申しおくれましたが、私の治療には漢方もとりいれています。極力ステロイド軟膏は使いません。どうしても使う必要のある場合も、「量や使用回数は極力少なく」が治療方針です。それができるのも、漢方薬や生薬軟膏を併用するからですが、これらはステロイド剤のように強力に症状を抑え込むものではありません。したがって、ある程度以上の活動性の強い湿疹には効きません。また、そのときの患者さんの皮膚の状態や湿疹の活動性、あるいは胃腸の具合や便通 が良いかどうかなどの様々な要因で、使う薬が違ってきます。ですから、ある患者さんに、ある漢方や生薬軟膏が以前よく効いたからといって、今回も同じものが効くとは限りません。同じ患者さんでもそうですから、別 の患者さんであればまして薬の選択肢は複雑になるわけです。

 また、人間のもつ自然治癒力にも期待していますから、ストレスの発散や海水療法なども積極的に指導として取りいれています。そりゃもう、患者さんには改善して欲しいですから、いろんな可能性を私だって日々勉強させていただいてます。はい。

イメージ CM ではありませんが、医師だって「こうみえても、なかなか疲れまんねん」なのです。ですから、私も診療のない日は勉強だけでなく、趣味にレジャーに?と、いろいろ心身のリフレッシュに努めています。ということで、私もこれからグァムへ海水浴に!!といきたいのですが、現実はなかなか厳しいですよね。トホホ……。

 では、おだいじに!!


2000年9月11日

プロフィール
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山口典秀先生
やまぐち・のりひで
医療法人恵明会・恵明会クリニック院長。1951 年生まれ。九州大学医学部卒業。同・脳疾患研究施設(神経内科)、大牟田労災病院、浴風会病院を経て、東京・千代田区で開業。97 年にアトピー・アレルギー専門の恵明会クリニックとして練馬区に移転。日本東洋医学会認定専門医。
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