デイリーニュース

2007/09/03
太るのはウイルスのせい?
   ウイルスが肥満の原因の一つという説が、新しい研究で強化された。米ルイジアナ州立大学ペニントンPennington生物医学研究センターのMagdalena Pasarica博士らの研究により、呼吸器や眼の感染症を引き起こすアデノウイルス36(Ad-36)が、幹細胞の脂肪細胞への発達を促すことが示されたという。この知見はボストンで開催された米国化学会(ACS)学会で発表された。

 同研究チームの過去の研究では、やせた人に比べ肥満の人にはAd-36が広くみられることが示されていた。今回の研究はこれをさらに一歩進めたもので、成人の幹細胞を採取し、そのうち半分をAd-36に感染させ、約1週間培養した。その結果、Ad-36に感染した細胞の多くはいわゆる「前脂肪細胞(pre-fat cells)」になったが、感染していない細胞はならなかった。細胞に投与したウイルスが多いほど脂肪の成長も大きく、この効果は男女ともにみられたという。ウイルスに曝露した前脂肪細胞は通常よりも速い速度で脂肪を集め、より大きい脂肪細胞になることが明らかになったほか、Ad-36のもつE4Orflという遺伝子が脂肪の成長促進に直接関与していることもわかった。

 肥満の一部がウイルスに起因するものであるとすれば、ワクチンや抗ウイルス薬により肥満を治療できる可能性もあるとPasarica氏は述べている。米国では現在9,700万人の成人が肥満または過体重であるとされており、治療が実現すればその利益は大きい。

 なお、Ad-36が肥満を引き起こすメカニズムは不明で、ウイルスが影響をもたらす期間の長さもわかっていないため、さらに研究を重ねる必要があるとPasarica氏は述べている。別の専門家は、たとえウイルスが肥満の一因であったとしても、肥満の大多数はそれでは説明できないとしている。肥満になるには、エネルギー取り込み量と消費量の不つり合いがあるはずで、やはり健康的な食生活と定期的な運動が重要と指摘している。

(HealthDay News 8月21日)

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