 |
 |
乳癌(がん)の放射線治療期間が短縮可能に
|
 |
| |
放射線を正確に標的に当てる強度変調放射線治療(IMRT)の利用で、1日あたりの照射線量を増やし、乳癌(がん)患者の治療期間を従来の6〜7週間からわずか4週間に短縮できるとの研究結果が、医学誌「International Journal of Radiation Oncology Biology Physics」6月1日号に掲載された。
報告を行った米Fox Chaseフォックス・チェイス癌センター(フィラデルフィア)のGray Freedman博士によると、少なくとも腫瘍が小さい乳癌患者では、腫瘍摘出術と放射線治療の併用で、乳房切除術と同等の生存率および治癒率を得られることが十分に裏付けられている。しかし、放射線治療には6〜7週間を要することから二の足を踏む女性が多く、期間の短縮が重要課題となっている。いくつかの研究では、体外からの照射と放射性シードの埋め込みを併用する1週間の治療について検討されているが、この治療は腫瘍の極めて小さいごく一部の患者にしか適さない。
今回の研究では、乳癌の女性75人(平均52歳)を対象に、IMRTを用いて1日当たりの線量が通常より高い治療を実施し、その副作用を調べた。従来に比べて線量の総計が多くなるわけではなく、通常の6〜7週間の治療で計60Gy(グレイ、吸収線量を示す単位)を照射するのに対して、この4週間治療では56Gyだという。IMRTでは、コンピューターが制御するX線加速器を用いて腫瘍または腫瘍内の特定部位に極めて正確に放射線を照射でき、周辺組織の被曝を最小限にとどめることができる。
短期の結果は良好で、従来の治療を超える副作用は出ていない。一部の患者に皮膚障害が認められたが、6週目までには治まり、治療終了から6週間後には、皮膚の外観が治療前と同じに戻った。今後、長期的な問題の有無を確認するため5年間の追跡が行われる。過去の研究から、1980年代に放射線治療を受けた女性の心疾患リスクが高いことがわかっているが、IMRTを用いれば心臓の被曝が少なくなり、リスクも軽減できるはずだという。
ただし、IMRTには利用できる施設が限られるという欠点があることをFreedman氏も認めている。また他の専門家からは、今回の研究が小規模で、さらに検証する必要がある点や、長期的な毒性と再発の可能性について疑問が残る点も指摘されている。
(HealthDay News 5月31日)
Copyright (c) 2007 ScoutNews, LLC. All rights reserved. http://www.healthday.com/Article.asp?AID=605093
|
|
|