デイリーニュース

2007/06/11
背中の痛みには外科手術が有効
   椎間板ヘルニアや坐骨神経痛による背中や脚の痛みを早く緩和するには、外科手術が有効で、自然に治るかどうか様子をみるため手術の時期を先に延ばしても、手術の効果に差はないという2研究による知見が、米医学誌「New England Journal of Medicine」5月31日号に掲載された。

 第一の研究は、重度の坐骨神経痛(坐骨神経の圧迫による脚の痛み)が6〜12週間以上続く患者283人を対象としたもの。被験者の半数に早期手術(研究開始から平均2.2週)、残りの半数には保存治療(外科手術以外の治療)を割り付けた。保存治療群の39%は最終的に手術を受けた(手術時期は研究開始から平均18.7週)。身体能力の面では両群に大きな差はみられなかったが、早期手術群では早く痛みが緩和され、手術が早ければ回復も早いことが明らかになった。

 研究を実施したオランダ、Leidenライデン大学メディカルセンターのWilco Peul博士は、発症から3〜6カ月は様子をみてから手術を決めることを勧めているが、痛みにより生活に支障がある場合などは、必要に応じて早期に手術を受けるのも有効で安全な選択肢であると述べている。

 もう一方の研究は、高齢者や黒人女性に多くみられる変性脊椎すべり症の患者600人強を対象にしたもので、米Dartmouthダートマス医科大学(ニューハンプシャー州)のJames N. Weinstein氏らが行った。被験者の半数に外科手術(主に脊椎固定術)、残りの半数に標準的な非外科治療を無作為に割り付けたが、後に非外科治療群の多くが手術を受けたため、データの調整を要した。3カ月後および1年後の時点で、外科治療群では非外科治療群に比べて痛みが少なく、機能面でも大幅な改善がみられた。

 米ニューヨーク大学病院関節疾患脊椎センターのJeffrey Spivak氏によると、必ずしもどんな痛みにも手術が適するというわけではないが、一部の症例では手術によって早く痛みが緩和され、機能の回復も早まることが期待できるという。今回の2研究は、外科手術の有効性を裏付けると同時に、手術を延期しても効果が下がるわけではないことを示しており、患者に適した治療法選択の助けになると同氏は述べている。別の専門家は、背部痛にはさまざまな要因があり、症状に適した治療を受けるには、できる限り熟達した専門家の診察を受けるよう勧めている。

(HealthDay News 5月30日)

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