デイリーニュース

2007/04/16
A、B型血液をO型に変える酵素を発見
   同じ血液型の人にしか輸血できないA型およびB型の血液を、誰にでも輸血できるO型に変える方法が発見された。この方法の安全性と有効性が確認されれば、輸血用血液の不足は過去のものとなることも考えられ、期待と関心が寄せられている。この知見は科学誌「Nature Biotechnology」4月1日オンライン版に掲載された。

 ほとんどの人は、A、B、O、ABの4つの血液型のうちいずれかをもっている。細胞レベルでは、A型およびB型の赤血球の表面にはそれぞれ個別の糖分子があり、AB型ではAとBの両方の糖分子が存在している。例えばB型の人にA型の血液を輸血すると、この糖分子が「抗原」となり、致命的な免疫反応を誘発する。ところがO型の血液はこの「抗原」をもたないため、誰にでも安全に使用することができ、特に患者の血液型を調べる余裕のない緊急の状況では有用である。このため、O型の血液は他の型よりも多く使用され、「血液不足」といえばO型の不足を意味することになるという。

 この不足を解消するためには、赤血球からA型およびB型の抗原を除去してO型に変える技術が必要となる。酵素を用いれば可能であると考えられていたが、A型、B型の抗原だけを標的とする酵素を発見するのは難題であった。以前、米ZymeQuest社(マサチューセッツ州)が精製した酵素について試験が実施されたが、抗原が1%でも残っていれば免疫反応が生じることがわかり、よい結果は得られなかった。

 今回の研究では、ハーバード大学医学部兼コペンハーゲン大学のHenrik Clausen博士らのチームが、細菌および真菌類のデータベースを徹底的に調べ、この糖分子を標的として除去できるグリコシダーゼと呼ばれる2つの細菌酵素ファミリーを発見した。

 米国血液センター(ABC)のLouis M. Katz博士は、この酵素について「ぜひとも臨床試験に進める必要がある」とする一方、いくつか疑問が残ると述べ、酵素処理した赤血球に対して免疫反応が起こる可能性や、酵素そのもののわずかな残留物が免疫障害を引き起こす可能性を指摘している。また、Katz氏はコストの問題についても触れ、このような技術の拡大に必要な資金を、献血者の募集に当てる方がよいとの観点も示している。現在、毎年人口の5%が献血をしているが、これが7%になれば血液不足の問題は解消されるはずだとKatz氏は述べている。

(HealthDay News 4月2日)

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