デイリーニュース

2007/04/09
安定した心疾患には薬物療法のみでも有効
   安定した心疾患に対し、集中的な薬物療法を行えば、血管形成術を行った場合と同程度の効果がみられることが新しい研究によって明らかにされた。この知見は、先ごろニューオーリンズで開催された米国心臓学会(ACC)年次集会で発表されたほか、米医学誌「New England Journal of Medicine」4月12日号にも掲載される予定。

 これまで、慢性的な心疾患患者には、血管形成術か心臓バイパス術のいずれかが必要であると考えられてきた。米バッファロー大学医学・生物医科学部教授のWilliam E. Boden博士によると、米国で血管形成術およびステント留置を受ける患者の4分の3は、安定した心疾患患者であるという。COURAGE試験と呼ばれる今回の研究で、至適薬物療法と生活習慣の改善を並行して行った場合、血管形成術と薬物療法を併用した場合と効果に差がないことが判明した。

 今回の研究では、安定しているが顕著な心疾患をもつ患者2,300人を、薬物療法単独群と、薬物と血管形成術の併用療法群に無作為に割り付けた。併用群の94%は少なくとも1つのステント留置を受けた。2〜7年の追跡期間中、死亡および心臓発作の発生数は、血管形成術群では211人(19%)であったのに対して薬物療法単独群では202人(18.5%)。このほか、脳卒中ないし急性冠症候群(ACS)による入院、心臓発作単独の比較でも有意差はみられなかった。

 この結果から、Boden氏は、安定した心疾患患者には薬物療法をファーストライン(最初に実施する)治療とするべきだとの見解を述べている。しかしBoden氏によれば、これによって血管形成術の実施数が減少することはなく、実施するタイミングが遅くなるだけだという。ただし薬物療法は初期の治療戦略として有用なものであり、劣ったものとして捉えるべきではないと同氏は述べている。

 ステントメーカーなどは、今回の研究で薬剤溶出ステントが使用されていない点などを挙げて批判しているが、Boden氏はこれに対し、死亡率や心臓発作に関しては薬剤溶出ステントがベアメタルステントよりも優れているという根拠はないと反論している。

 別の専門家は、薬物療法で危険因子を大幅に減らすことによる効果を認めており、安定した患者についてはまず薬物療法を行い、血管形成術は持続的な症状のある患者のために残しておくべきだと述べている。

(HealthDay News 3月26日)

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