デイリーニュース

2006/01/23
前立腺特異抗原検査は生存率を改善せず
   前立腺癌(がん)のスクリーニングに用いられる前立腺特異抗原(PSA)検査が死亡リスクの低下につながっていないとする研究結果が、医学誌「Archives of Internal Medicine」1月9日号に掲載された。

 米エール大学医学部および退役軍人局コネチカット医療システムの研究者らは、1991〜1995年の間に前立腺癌と診断された50歳以上の男性患者で、1999年末までに死亡した501例と、対照群として同じく前立腺癌患者の生存例501例とを比較検討した。

 その結果、PSA検査による前立腺癌のスクリーニングを受けていたのは死亡例の14%に対し、生存例では13%であった。前立腺癌スクリーニングが死亡を予防するのであれば、検査を受けた群での死亡数が少ないはずであるという。

 さらに若年または健常男性においても、あるいは直腸内診法との併用でも、PSA検査は前立腺癌の死亡リスクを低下させないと結論している。スクリーニングは早期の段階でも前立腺癌の発見を増やすものの、それが必ずしも生存率の上昇にはつながっていないという。

 研究者らは「前立腺癌の診断および治療については至適臨床戦略が未だ明確ではなく、さらに検討を進める必要がある」とした上で、無症候の患者に「口頭によるインフォームドコンセント」を得る際にPSA検査が確実ではないことを説明し、十分に情報を提供して判断できるよう促す必要があるとの見解を示している。

 一方、米国立前立腺癌センター(NPCC)は今回の研究結果を根拠のないものとしており、患者に提供する治療のタイプなど「考慮すべき点が組み入れられていない」と指摘する。同センター最高責任者のRichard N. Atkins博士は「こうした患者に実施した治療内容や、PSA値の経時的変化の速度を検討する必要がある」という。

(HealthDay News 1月9日)

Copyright (c) 2006 ScoutNews, LLC. All rights reserved.
http://www.healthday.com/view.cfm?id=530097