女性の健康
 
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リストラなど雇用不安に伴うストレスから
うつ病になる人が激増

軽いうつ病、「軽症うつ病」の
潜在患者は千万人単位?

 うつ病と聞くとめったにかかることのない特殊な精神疾患と思っている人が多いのではないでしょうか。しかし、うつ病はそんなに特殊な病気ではないのです。一般 に先進国の有病率は人口の数%と見られています。仮に3〜4%として、この数値を日本に置き換えてみると、400万人前後ということになり、国民病と言われる糖尿病に匹敵する数字になってしまいます。程度の軽いうつ病、「軽症うつ病」だと、その何倍もの数字となるのは確実です。

 実際、ここ数年、罹患の自覚のないまま医療施設を訪れ、うつ病と診断される人が増えているのです。中でも20〜40代の働き盛りのサラリーマンやOL の罹患率は急増しているようです。うつ病になるきっかけは、受験、就職、結婚、異動、転任など、従来から指摘されているものに加え、最近ではリストラ、コンピュータ技術習得度による配置転換、給料の実力査定制、再就職難など、現代特有のストレスが原因となっているケースが目立ってきています。


抑うつ状態と意欲の低下が
2大精神症状

 気分が重く沈む抑うつ状態と、意欲の低下がうつ病の2大精神症状です。どちらも成人なら日常的にありうることですが、よくある抑うつ状態や意欲の低下は、通 常、1週間もすれば自然に回復してしまいます。

抑うつ状態と意欲の低下が2大精神症状 うつ病に伴う精神症状の程度は尋常ではありません。朝、新聞を読むとき、目では文字を追っているのに意味が頭に入ってこない、だから何回も同じ箇所を読み直す、疲れのせいと思っていると、会社で書類を読んでいるときにも同様なことが起こる、仕事の能率が著しく低下し、上司や同僚、部下から白い目でみられる、会社に行くのがいやになる、といったようなことが立て続けに起こります。憂うつ感は特に朝にひどく、夕方になると元気が出てくるという特徴があります。
 スポーツや音楽鑑賞など、以前は好きだったことに対してもやる気がなくなり、休日は終日、家で寝転んでいる、そのうち、遅刻、欠勤が多くなっていくというパターンになりがちです。

 一方、軽症うつ病の場合は、イライラする、ものごとがおっくうになるといった程度の軽い症状で済み、仕事にも格段の支障は出ないので、かかったことに気づかない人も多いようです。


早期発見のポイントは
身体症状を見逃さないこと

 うつ病は心の病気ですが、精神症状が出る前に身体症状が出ることが多くあります。
 中でも睡眠障害は必発で、明け方に目がさめる[ 早朝覚醒] や夜中に目がさめる「中途覚醒」が続くようになり、そのうち睡眠不足になります。何を食べてもおいしくないので食欲も低下し、1〜2カ月で2〜3キロやせたりします。頭痛、肩や首の痛み、全身の関節の痛みを覚えることも少なくありません。倦怠感も強くなり、ちょっと動いたりすると、すぐ横になりたくなります。性欲が低下することもあります。

 以上のような症状が続くと、さすがに医療機関に行く人が多いのですが、まさかうつ病の前兆だとは思わないので、ほとんどが一般 内科を受診し、「疲れ」「自律神経失調症」などと診断されがちです。また仕事が忙しい働き盛りのサラリーマンなどは、多少の身体的・精神的な変調があっても医者に診てもらうことには抵抗があるようです。病気になると社内的な評価が下がるといった懸念があるという背景を指摘する専門家もいます。

 一 般内科を受診し、薬を飲んでもいっこうに症状が改善しない場合は、うつ病を疑って、精神科、メンタルクリニックに行くのが、うつ病を早く見つけるポイントといえるでしょう。


うつ病は心のかぜとも呼ばれ、
早く治療すれば治りも早い

 うつ病の原因はまだよくわかってはいないのですが、脳内の神経伝達物質であるセロトニンやノルアドレナリンの働きが低下して起こることは間違いないようです。いずれも脳内ホルモンの一種で、意欲や活動性をつかさどる脳の働きと密接に関係しているのです。
 そ こで最近ではうつ病の治療は、セロトニンの働きを高める作用のあるSSRI (選択的セロトニン再取り込み阻害薬)を飲むことが治療の中心になっています。これはセロトニンの働きを低下させる酵素を抑制する薬で、口の乾き、便秘になるなど、従来の薬で出やすかった副作用が出にくくなったという点で画期的な薬といわれています。日本でも昨年、認可されて使われるようになりました。

 SSRI を飲みむと、だいたい1〜3か月で症状は改善します。その改善率は8割ほどといわれています。もしSSRI が効かない場合は他の薬を飲んだり、カウンセリングを強化したりします。

 うつ病は心のかぜにもたとえられます。誰でもかかる恐れはありますが、治療が早ければ治りやすいのです。こじれれば治りが悪く、再発もしやすく、なおかつ仕事のストレスなどで精神的に追い込まれれば、自殺に至るケースすらあり得るので、見に覚えのある人は早めに受診しましょう。

 

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