女性の健康
 
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“取り憑く”カビ 最終回
人の体に取り憑くカビ


日和見感染…忍び寄る“カビ”

 病気などによって抵抗力が弱ってしまっているときは、ふだんの健康な体なら病気を起こすことがない弱い細菌でも、感染して病気になってしまいます。このようにして起こる病気を「日和見感染(ひよりみかんせん)」というのですが、これは細菌だけの話ではありません。カビが人間の体の中で繁殖して病気を起こすのも、この日和見感染の場合なのです。
 ただでさえ病気で体が弱っているところに、カビが悪さをしてダブルパンチの打撃を与え、重症化させます。内臓をはじめ体じゅうに広がり、ときには脳まで侵し、死を招くこともあります。

 カビによる日和見感染症は、増え続ける傾向にあります。医学の進歩によって、これまでは治療が困難だった病気も、新しい医療技術で治すことができるようになってきました。しかし、その反面、白血病の治療に使われる抗ガン剤やステロイドホルモン剤、臓器移植に欠かせない免疫抑制剤などは、免疫力を極端に低下させてしまい、カビによる日和見感染のリスクを急激に増やしてしまったのです。病院内で感染することも少なくありません。しかも、なかには人間の免疫の働きをかいくぐって増えていくやっかいな病巣もあり、治療も困難です。

 

こんなカビが原因になる

 日和見感染を起こすカビとしては、カンジダ、アルペルギルス、クリプトコックスなどがあります。

●最も恐ろしいアルペルギルス
 なかでも最も恐ろしいのがアルペルギルスです。肺結核などでできた肺の空洞にこのカビが侵入し繁殖して、結核によく似た症状を起こすのです。抗生物質も効果はなく、手術で病巣を取り除いたり、気管支内視鏡で薬剤を直接注入することが必要になります。
 白血病や臓器移植で免疫機能が著しく低下している場合には、ほんの少しのアルペルギルスによって、さまざまな臓器が侵されます。また、脳に達すると、突然、発熱や激しい頭痛、めまい、嘔吐を繰り返しているうちに急激に病状が悪化し、1週間足らずで死に至ることもあります。

●皮膚から侵入するカビ
 このほか、黒いカビのエクソフィアラやフォンセカエアは、皮膚から浸入して、内臓や脳まで侵していく怖いカビです。フォンセカエアはどこによく発生するのかわかっていませんが、エクソフィアラは浴室の排水口の裏や掃除を怠った加湿器の中で増殖します。黒いドロドロしたカビに触ったときは、感染を防ぐため、よく洗いましょう。排水口や加湿器の掃除をまめにおこなうことも大切です。


2002年6月24日

九冨 真理子
プロフィール
 医療、教育、環境、福祉を中心に執筆しているフリーライター。なかでも得意なのは、人物ルポ。子供向けの単行本づくりも手がけている。視力と持久力の衰えから、プレステを息子に譲り、新たな趣味を模索中。取材に触発され、「ゴミを買わない&出さない生活」にチャレンジするも、ジレンマに悩まされる日々。
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