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“取り憑く”カビ 第3回
食べ物に取り憑くカビ


 カビの大きな害のひとつは、カビがはえた食品を食べることによって起こる食中毒です。カビは生育する間に、どんどんカビ毒をつくり出していきます。この毒素を食べることで、中毒になるのです。



毒性が協力な3大カビ

 とくに毒性が強く、危険なものには、以下の3つがあります。

●青緑色のカビ:ペニシリウム
 もちや果物、魚肉練り製品、乳製品、サラミ、清涼飲料水によくはえるアオカビです。なかには肝臓ガンや腎臓ガンを起こすオクラトキシンという強いカビ毒を出すものもあります。

●さまざまな色のカビ:アスペルギルス
 種によって、緑、黄土色、茶、黒、白、青緑といろいろです。小麦やトウモロコシなどの穀類、小麦粉などの穀類の粉、粉からつくったパンやケーキ、ナッツ類などに多くつきます。このカビのカビ毒は、アフラトキシンという天然物の中で一番強い発ガン物質です。急性の毒性もあり、インドで中毒による肝炎のために100人以上が亡くなりました。

●赤いカビ:フサリウム
 灰白食から深紅まで色の幅があります。穀類や野菜にはえるカビですが、とくに麦やトウモロコシにはえて、トリコテセン系などのさまざまな種類のカビ毒を出します。このため、小麦粉や押麦、ハト麦、ポップコーン、ジャイアントコーンなどのトウモロコシ製品から検出されています。トリコテセン系カビ毒は、悪心や嘔吐、腹痛、下痢などを引き起こし、ときには、造血機能に影響を及ぼして食中毒性の無白血球症を起こしたり、免疫機能にも悪い影響を及ぼします。

 

こんなカビも食中毒の危険性が…

 このほか、以下のようなカビも食中毒の危険があり、要注意です。

  • 甘い菓子類や塩分の強い食品につく黄色いカビのワレミア
  • さまざまな食品につく黒いカビのクラドスポリウム、アルタナリア
  • 野菜や果物、でんぷんにつく灰白色のムコール
  • ケーキやパン、いなり寿司、漬け物、ジュース類につく乳白色のハンゼヌラ
  • ジュース類やゼリー、ところてんなどにつく白から黒に変色するオーレオバシヂウム。

 カビ毒による被害を防ぐには、カビのついたものを食べないことが大切です。カビ毒は、家庭の通常の加熱調理では完全に分解できません。また、強い毒性を示すカビがついた食品は、外国から輸入されたものが多いので、輸入食品への注意も必要となります。


2002年6月17日

九冨 真理子
プロフィール
 医療、教育、環境、福祉を中心に執筆しているフリーライター。なかでも得意なのは、人物ルポ。子供向けの単行本づくりも手がけている。視力と持久力の衰えから、プレステを息子に譲り、新たな趣味を模索中。取材に触発され、「ゴミを買わない&出さない生活」にチャレンジするも、ジレンマに悩まされる日々。
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