女性の健康
 
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ピルを使いたいと思ったら 第2回

ピルについての疑問

 日本では、アメリカから半世紀遅れて、ようやく避妊用のピルが認可されました。それは、長い経口避妊薬の歴史の中でも最新の「低用量ピル」という種類のもので、通常2種類のホルモンを組み合わせた複合製剤です。避妊効果を落とさずに、できるだけ副作用を抑えるように、ピル1錠当たりのホルモンの量が低く抑えられています。「高用量」単剤から「中用量」という試行錯誤の時代を経て、ここに至ったのです。

ピルで妊娠しない仕組み

ピルで妊娠しない仕組み  イメージエストロゲン(卵胞ホルモン)の作用
 ピルを処方された場合、その第1錠目を飲むのはたいてい次回生理のはじまった日、つまり月経開始初日です。
 この日は、あなたの卵巣はまだ成熟していません。卵巣が成熟し、排卵をするためには十分な性ホルモンのエストロゲンが必要です。そのために、ホルモン分泌に関わる司令塔(=脳の視床下部)から「脳下垂体からゴナドトロピン(性腺刺激ホルモン)の分泌を促進し、卵巣から十分なエストロゲンを分泌させて排卵を誘発せよ」という指令が出ます。しかし、ピルの服用によって指令が発する前にエストロゲンを補給しているので「エストロゲンは十分である」という偽の情報が司令塔に伝わります。その結果、ゴナドトロピンの分泌が抑制され、結果的に排卵が抑制されます。

プロゲステロンの作用
 女性が確実に妊娠しない時期は、いつでしょう。これは、「生理中」でも「授乳中」でもなく、「妊娠中」です。卵巣では、排卵が起こったあとに黄体という組織が発達し、プロゲステロン(黄体ホルモン)を分泌します。妊娠するとこの黄体が大きくなり、プロゲステロンが盛んに分泌されて新しい卵胞の発育と排卵を抑制するのです。

 現在のピルは、エストロゲンとプロゲステロンという2種類のホルモンの合成剤の組み合わせでできています。その相乗効果によって、できるだけ少量のホルモン量で避妊効果が続くように、生理の1日目から、日によって最適な用量の組み合わせが1錠の中に含まれているのです。毎日同じ時間に飲むようにすること、飲み違えや飲み忘れのないようにすることが大切です。

ピルの種類

 ピルには、1錠中に含まれる2種類の合成ホルモン剤の用量が一定のもの(1相性)から、周期的なコンディションに応じて2段階(2相性)または3段階(3相性)に変化するものまでの3種類があります。またそれぞれに、服用の仕方によって21日型と28日型のものがあります。28日型では、最後の7錠がホルモンを含まない偽薬になっているのですが、これは次のシートを飲み始めるのを忘れないようにするための工夫です。ピルのシートには、飲む順番を忘れないように、また飲み忘れを防ぐために、製薬会社によってさまざまな独自の工夫が凝らされています。はじめて処方された時に、医師や薬剤師からピルの飲み方の指導をきちんと受けて、正しく理解して服用することが何よりも大切です。

次回は「ピルを処方してもらうまで」です。

監修者:太田越 麻理子(薬剤師)
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