女性の健康
 
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不妊治療を始めたいあなたへ 第3回
どんな治療があるの?

 出産は女性にしかできない仕事ですが、そもそも受胎は男と女のどちらが欠けても成り立ちません。夫婦に子供ができない原因を追求すると、妻ではなく夫にある可能性も、夫婦の組み合わせによる可能性もあります。また不妊治療を進めるうちに「自分たちはどのような人生を望むのか」という厳しい問いかけにぶつかることもあるでしょう。ふたりで模索するその答えの中には「子どもをつくらない」という選択肢もあるはずです。大切なのは、治療を始める前に、また始めてからも、夫婦で寄り添い、いたわり合って進むことなのです。

 

まずは体と心を整えて

まずは体と心を整えて イメージ 不妊治療の第一歩は、体の異常の発見とそれを整えるメンテナンス作業と言えるでしょう。不妊症の検査の結果、女性に発見される可能性のある障害には、排卵障害、卵管障害、着床障害、黄体機能不全や子宮内膜症などがあり、ケースに応じた治療を受けることになります。

 不妊治療中に、ほとんど自覚症状がなく早期発見が困難といわれる卵巣がんが、たまたまみつかることもあるのです。命に関わる病気ですから、それだけでもメンテナンスの意義は大きいと言えます。

 そうした治療と平行して、いまさらながら妊娠のためのセックスを学ぶことになります。基礎体温表のほかにも、専門家の指導を受けながら各種検査でより正確に排卵日を推定すれば、妊娠する確率が上がります。さらに、排卵誘発剤を使ってより積極的に妊娠を試みることもできます。

 

人工授精、体外受精、顕微受精

 それでも何カ月も妊娠しない場合や、そもそも自然な妊娠が望めないような状態の場合、次にとられるステップが、一般的な人工授精です。排卵直前に、夫の精液を妻の子宮内に人工的に注入します。注入する時には麻酔の必要もなく、数分で終わります。そして、普段通りの生活をしながら2週間ほど待ち、妊娠したかどうかを確認します。

 人工授精を10回以上試みたけれど妊娠できなかったという場合には、その次のステップとして、体外受精があります。まず排卵誘発剤を使って発育させた卵子を複数取り出します。これに夫から採取した精液の中から活発な精子を選り分けて混ぜ合わせ、試験管内で精子が自力で卵子に入ってゆくのを待ちます。受精、分割まで確認されたところで、その受精卵を女性の子宮に注入します。このとき麻酔は必要なく、やはり数分で完了します。あとはリラックスして2週間待つだけです。ただし体外受精には健康保険がきかず、1回につき数十万という高額な費用が掛かります。そのうえ100%妊娠するともいえないのが、非常につらいところです。

 現在不妊治療の最先端では、顕微鏡下でひとつの精子をひとつの成熟した卵子に注入するという方法が開発、実用化されています。精子や卵子、そして受精卵の凍結保存も可能です。ある種の重い男性不妊や、がんの治療で生殖機能を失う可能性がある人にも、卵子や精子の凍結保存と顕微受精という奥の手があるのです。

次回は「不妊治療Q&A集」です。

2002年2月18日

監修:原 利夫(はらメディカルクリニック 院長)
プロフィール
はらメディカルクリニック(http://www.haramedical.or.jp/)院長。慶應大学医学部大学院修了。医学博士。産婦人科認定医。日本における凍結受精卵妊娠第1号のスタッフ。1994年より不妊専門医院開業。執筆書籍はこちら(http://www.haramedical.or.jp/book.htm
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