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出産は女性にしかできない仕事ですが、そもそも受胎は男と女のどちらが欠けても成り立ちません。夫婦に子供ができない原因を追求すると、妻ではなく夫にある可能性も、夫婦の組み合わせによる可能性もあります。また不妊治療を進めるうちに「自分たちはどのような人生を望むのか」という厳しい問いかけにぶつかることもあるでしょう。ふたりで模索するその答えの中には「子どもをつくらない」という選択肢もあるはずです。大切なのは、治療を始める前に、また始めてからも、夫婦で寄り添い、いたわり合って進むことなのです。
初診外来では
病院へは夫婦で行くのが理想的ですが、現実には最初は奥さんだけということも多いでしょう。受付で書く問診票には、来院の目的、月経や妊娠に関する事柄、大きな病気や薬によるアレルギーの経験などを記入します。診察室では医師による質問があり、配偶者に関することや、これまでの結婚と性生活、避妊や不妊治療の経験などについても治療に関わる範囲で聞かれることになるでしょう。またホルモンの状態など基礎的な検査のために尿や血液を採取します。
それから内診をする場合もあります。膣の中に入れた指と、お腹から当てた手の平で診察します。初めての人は産婦人科の内診台に気が引けるかもしれませんが、看護婦さんが手際良く導いてくれるはずです。これは、内科に行けば聴診器を当てられるのと同様の行為です。妊娠時や婦人科系疾患の診断には欠かせない方法で、誰もが通った道ですから、落ち着いて受けましょう。検査について疑問に思うことがあれば、あらかじめ十分に説明してもらうことも大切です。
女性側の検査
不妊検査には、いつでもできるものと、特定の時期にしかできないものがあります。初診から1〜2カ月間かけておこなわれる主な不妊の検査には、次のようなものがあります。
- 基礎体温:毎朝、検温の結果をグラフに記入します。排卵しているかどうか、していればおよその排卵日がわかります。不妊治療の第1歩です。
- ホルモン基礎検査:血液検査で、生理開始後5日以内(低温期)のものと、排卵後5〜10日(高温期)に採血し測定するものがあります。
- 超音波検査:排卵時期の特定の他、様々な目的でおこなわれます。内診台でおこなわれ、膣内からの造影となる場合が多くあります。
- 子宮頚管粘液検査:膣内から頚管粘液を採取し、排卵時期などを確認します。排卵日3〜4日前から排卵まで。
- フーナーテスト:性交6〜12時間以内に膣内や子宮内の精子を観察し、精子の子宮内進入度を確認します。排卵日におこなわれます。
- 抗精子抗体検査:採血による検査で「抗精子抗体」の有無を確認します。いつでもできる検査です。
- クラミジア検査:頚管部の細胞を採取し、クラミジアに感染していないかどうかを確認します。血液検査、尿検査でおこなわれる場合もあります。いつでもできる検査です。
- 通気、通水検査:子宮口から炭酸ガスや水を注入し、卵管が通じているかどうかを確認します。生理終了から排卵直前までにおこないます。
- 子宮卵管造影検査:子宮口からカテーテルを挿入し、造影剤を注入、レントゲン撮影をおこないます。子宮の形に異常がないか、卵管が通じているかどうかを確認します。生理終了後5日以内。
- 子宮鏡検査:超小型カメラで撮影した子宮内の様子をモニターで観察し、子宮内筋腫やポリープの有無などを確認します。
男性側の検査
もっとも重要なのが、精子の量や数、運動量などの質を調べる精液検査です。指定の容器に採取した精液を提出します。方法は同じでも、尿検査ほど簡単にはいかないのは当然です。何事もいったん始めてしまえば肝のすわる傾向のある女性と違い、どこかで「こんなの何だか情けない」と思ってしまう男心を汲んで、ユーモアとデリカシーをもって協力してあげましょう。「採精室」が備わった病院もありますが、「それはちょっと勘弁」という場合には、自宅で採取したものを冷やさないよう3時間以内に病院へもって行く方法でも構わないそうです。
精巣、つまり睾丸の検査では、まず触診があります。さらに組織をほんの少し採取して顕微鏡で調べたり、造影剤を入れてX線撮影で精管の通り具合を観察したりするものがあります。どちらも局部麻酔でおこなわれるため痛みはないということです。
血液検査ではホルモンの状態を調べます。また、男性の場合には不妊に関連する染色体異常がみつかっています。それも血液検査で調べることができますが、説明を聞いて決断をするのは本人です。
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