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女性の尿失禁の30%を占める切迫性尿失禁
突然、強い尿意を感じ、トイレに向かっている途中でがまんしきれず、おしっこをもらしてしまうタイプの尿失禁があります。切迫性尿失禁といわれるもので、女性の尿失禁の約30%を占めています。腹圧性尿失禁の人は約70%といわれていますから、ほとんどの人は切迫性か腹圧性のどちらかに入ると考えてよいでしょう。そのうち30%程度は両方を併せ持つ混合性ではないかと推測されています。
切迫性は、膀胱炎などで膀胱が過敏になっていて膀胱が刺激されて生じた尿意を脳が抑制しきれずにもらしてもらう場合と、何らかの理由で脳からのコントロールがうまくいかないケースがあります。後者の典型的な例は脳卒中後の尿失禁です。
腹圧性の場合は、骨盤底筋運動が第一の治療法なので、病医院に行くのは骨盤底筋運動で思うように効果があがらないときや重度のときになりますが、切迫性は病医院での治療が中心になります。
治療の最初の選択肢は薬物療法
切迫性の治療の基本は薬です。膀胱を収縮させる骨盤神経という副交感神経の働きを薬で抑えます。薬を使うと、膀胱の容量が増えたり、膀胱が収縮するのを抑えることができ、結果的におしっこがもれにくくなります。10人中7〜8人に効果があるといわれています。のどが乾いたり、便秘、頭痛などの副作用がしばしばみられます。
薬で効果がみられないときや薬による副作用が強い場合には電気刺激療法を受けてもよいでしょう。これはどこの病医院でもやっているわけではなく、尿失禁に力を入れている大学病院などで主におこなわれています。脊髄から膀胱や尿道にきている神経に向けて20〜30分間弱い電流を当てるもので、改善率は5割程度です。改善のメカニズムはわかっていませんが、尿をコントロールするシステムが活性化するのではないかと推測されています。
薬や電気療法で全く効果がみられず、しかも尿もれが激しいというようなときには、最後の手段として、膀胱を切り開き、ここに本人の腸の一部をぬいあわせて大きな膀胱につくり直す膀胱拡大術が選択肢として残されています。ただし実際には、膀胱結核や放射線療法の副作用で発症した人に実施されるぐらいで、ケースとしてはあまり多くありません。
なお、骨盤底筋運動は切迫性尿失禁にも有効といわれているので、薬物療法と合わせておこなうとよいでしょう。
切迫性のときは泌尿器科へ
「尿失禁を治したいけれども、何科に行けばよいのかしら」と迷う人も多くみかけます。女性に多い症状ということもあり、婦人科でも治療をおこなっています。腹圧性尿失禁なら婦人科でほとんど治療できますが、複雑な手術が必要だったり、泌尿器科の疾患がある尿失禁の場合などは泌尿器科に紹介されることもあります。切迫性が疑われるときは、直接泌尿器科を訪ねましょう。
病医院では、問診のほかに、検尿をします。必要に応じて、超音波で腎臓や膀胱を調べたりすることもあります。
問診の際に役立つのが、もれの状況を記録した日誌です。トイレに行った回数や時刻、もれをした回数や時刻を3〜4日間ぐらいこまめにつけておきましょう。さらに、いつごろからもれの経験があるのか、今飲んでいる薬、便の回数などもメモしておくと、医師の問いにスムーズに答えられます。
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