シニアの健康
 
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前立腺肥大は1人で悩まないで! 第3回
前立腺肥大症の検査と治療

前立腺肥大症の検査とは

 前立腺肥大症が疑われる場合には、次のような検査をします。

排尿症状スコアとQOLインデックス
 第1回で紹介した国際前立腺症状スコア(I-PSS)と、その症状が一生続くとしたら不満や不安はないか、治療の欲求度を聞く「QOLインデックス」という指標で症状の度合いを確認します。

QOLインデックス

QOLインデックス

  • 直腸診
     医師が直接肛門から直腸に指を入れ、前立腺に肥大があるかどうかを見る検査です。
  • 残尿量検査
     排尿後、膀胱に残っている尿の量を測定するもの。以前は尿道にチューブを挿入して測定していましたが、最近は超音波装置で測るところが増えてきました。
  • 尿流量測定
     洋式トイレのような装置で用をたし、尿の出方や排尿にかかる時間などを自動的に測定するものです。
  • 超音波検査
     画像診断で前立腺の大きさを調べるもの。通常、おなかの上から超音波を当てて測定しますが、必要な場合は肛門から超音波を発信する器具を入れて症状を見ることもあります。
  • 血液検査
     前立腺ガンなどの他の疾患が隠れていないかを調べるもの。「血清PSA」という値が高く、ガンが疑われる場合は精密検査をおこないます。

前立腺肥大症の治療とは

 こうした検査の結果、前立腺肥大と診断された場合は、症状に応じた治療が必要となります。そのおもなものは以下のとおりです。
  • 薬物療法
     症状が軽く、排尿困難がそれほどひどくない場合は、まずαブロッカーや漢方薬などを使って治療をおこないます。ただし、αブロッカーには、立ちくらみやめまい、セックスのときに射精する精液の量が減る「逆行射精」などの副作用が出る場合もあります。
  • 手術療法
     薬物治療がきかず、比較的症状が重い場合、患者がそのメリット・デメリットを知ったうえでの適用になります。現在では開腹はせず、尿道から電子メス付きの内視鏡を挿入して肥大した内腺を切除する「経尿道的前立腺除去手術」が一般的です。再発率が低く安定的な手術実績がありますが、逆行射精が70%という高率で発生します。
  • 高温度療法
     尿道からマイクロ波を照射するチューブを入れ、前立腺を48〜60度に加熱して内腺部分を縮小させるもの。薬物療法がきかない中等度以下の症状に効果的です。1時間程度で終わるので日帰りででき、逆行射精の発生率が10%以下というメリットがありますが、前立腺にむくみが出るなどの症状がみられることもあり、その場合は改善に1〜2週間かかります。
  • 新レーザー療法(ILCP) イメージ新レーザー療法(ILCP)
     レーザーを照射する針を直接前立腺内腺に刺して、レーザーで肥大した組織を縮小するもの。手術療法より出血が少なく、患者さんの負担が軽い上、尿道内壁を覆う粘膜を温存できるので、術後の回復が早く、日帰りから4、5日の入院で処置ができます。また、逆行射精の発生頻度が10%以下と低いので、若い人に適しています。ただし、この方法も前立腺に一時的なむくみが出るため、効果を実感できるまでに数週間必要です。

次回は「セルフケアについて」についてです。

監修:荒井 陽一(倉敷中央病院泌尿器科主任部長)
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