シニアの健康
 
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前立腺肥大は1人で悩まないで! 第1回
前立腺肥大症を自己チェックしよう

前立腺肥大症って?

 「最近、どうも尿が出にくい」「尿の切れが悪い」「このごろ夜に何度も尿意をもよおして目が覚めてしまう」「トイレまで間に合わず漏らしそうになる(漏らしてしまう)」。50歳以上になると、そんな排尿の悩みを抱える男性が増えてきます。こうした症状の大きな原因の1つが前立腺肥大症です。
 前立腺肥大は加齢とともに起きる、男性特有の病気です。30代から肥大化しはじめ、50代の50%、60代では60%、70代では70%の男性が患っているといわれています。
 とはいえ、肥大の程度と症状の重さは必ずしも一致しません。日常生活に支障があるかどうかが、治療を受けるめやすになります。次に示した前立腺肥大症自己チェックスコア(I-PSS)で少しでもあてはまる項目があって、その症状が不満だったり気が重い場合には、1人で悩んでいるのは禁物です。必ず泌尿器科を受診しましょう。

前立腺肥大症自己チェックスコア(I-PSS)

前立腺肥大症自己チェックスコア(I-PSS)


前立腺の働きとは?

前立腺の働きとは?  イメージ ところで、前立腺が肥大すると尿が出にくくなったり、逆に頻尿になったり漏らしたりするのはどうしてなのでしょうか。それには前立腺の位置や働きを理解する必要があります。
 前立腺は、図のように男性の膀胱の出口に尿道を包むような形で位置している、クルミ大の器官です。その役割は、精液の液体成分の3分の1を占める前立腺液を分泌することです。
 前立腺は、簡単にいうと夏みかんのような構造をしています。皮にあたる部分が「外腺」、実にあたる部分が「内腺」で、中心の芯の部分を尿道が貫いています。このうち肥大が起きてくるのは、内腺の部分です。内腺の細胞に小さなもりあがり(結節)ができ、これが加齢とともに増殖して大きな良性のコブになると、尿道を圧迫して尿が出にくくなるのです。
 これとは逆に頻尿や尿漏れになるのは、肥大化した前立腺が絶えず膀胱の出口の周辺を刺激し、尿意を感じやすくさせるためです。加齢によって膀胱の収縮量が弱まって残尿が多くなったり、腎臓の機能が低下することも原因となります。加えて、前立腺は自律神経に強く支配されているため、ストレスなどで緊張状態になると、さらに症状が出やすくなります。

 はじめに述べたように、前立腺肥大症は男性にとっては、いわば「宿命」のような病気ですが、なぜそのような症状が起きるのか、その理由は実は定かではありません。
 中年以降になると、男性ホルモンの分泌が減り、体内の男性ホルモンと女性ホルモンのバランスが崩れるためといった説があるほか、食べ物や生活環境、体質などが影響を与えていると考えられています。従来日本人に少なかった前立腺肥大症が増えてきた背景には、食生活の欧米化があるという見方もあります。いずれにしろ、複数の原因が絡み合って症状が起きていることに間違いはないようです。

次回は「前立腺肥大症の症状」についてです。

監修:荒井 陽一(倉敷中央病院泌尿器科主任部長)
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